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宮下歯科医院


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医院について

■診査診断のぶれ(術者による診査診断の違い)

診査診断くらいは誰に診てもらっても
大して変わらないだろうと思われるかもしれません。
残念ながら、そうではありません。

1930年代から現在に至るまで、診断はそれを診る先生により大きく異なることが
様々な医療分野で示されています。

その昔、扁桃腺を除去するかどうかを内科の先生に調査した研究があります。

病巣感染の概念(ある部位の感染が他の臓器部位に広がるという概念)が
確立していた頃1934年のニューヨーク、
扁桃腺を除去するかどうかを内科の先生に聞く調査を行った研究があります。

1000人の11歳の子供を2人の先生が診ていきました。
その調査では650人の子供の扁桃腺が既に取られていました。
そして350人のみが扁桃腺が残っていました。

この350人の子供達を別のグループの先生に扁桃腺を取るべきかどうか
診断してもらったところ158人の子供の扁桃腺を取るべきだという診断になりました。

残りの192人をまた別の先生に診てもらったところ
88人の扁桃腺は取るべきだという診断になりました。

さらに残った114人の子供達を別の医師に診断してもらったところ
39人は扁桃腺を取るべきだという診断になったのです。
最終的に65人となったところで研究はやめることになりました。

このように臨床における診断(意思決定)というのは難しく、
先生により判断が異なるということが示されたわけです。

イギリスの研究を見てみましょう。

Eldertonの研究では15人の歯科医(7人開業医8人ダンディー大学の先生)が
18人の実際の患者さんを診査しています。
臨床診査とバイトウィングのレントゲンを撮りました。
まだ治療をされていない部分にう蝕があるかどうかを調べてもらいました。

その結果、最も治療するべき部位が少ないという先生は9カ所、
最も多く充填すべきという先生は84カ所治療すべきという判断になりました。

既に充填されている部位に対しても同様の診断をした場合
(二次う蝕と判断したということですが)、
最も治療するべき部位が少ないという先生は11カ所、
最も多く充填すべきという先生は69カ所という結果となりました。

以上を合わせると 先生によっては20カ所から153カ所の
治療する部分の違いがあったわけです。

さらに抜歯しないでよいと思われた歯は
先生により0−19本もの違いがあったのです。
虫歯治療を行なうかどうかの判断でさえも先生の診断には多くの違いがあるのです。

この違いは後述するスウェーデンの研究のように、
どのような治療を行なうかという判断(治療方針のぶれ)になると、
もっと大きな違いが現われてくるのです。

先生もそれなりにその先生の診療体系での様々な経験をされていますから、
診療体系が異なると当然、考え方も変わってくることがあります。

例えば今流行のCTによる診査やマイクロスコープによる診査を行えば、
それによる情報は通常の「二次元撮影」や「肉眼」からの情報よりも
多くの情報を得ることができます。

例えばインプラント治療を計画する場合はCT、
根管治療の場合はマイクロスコープ等、
必要であればそのような診査も重要な役割を果たします。

ですから別の先生によって診査診断を受けること(セカンドオピニョン)が
意味がある場合もあります。


■診査診断のぶれ(同じ術者による診査診断の違い)

なんとも不思議な事に、同じ先生に同じ状態のものを診査診断してもらっても、
2回目には異なる事を言われることがあります。

もしかしたら、皆さんも歯科医院で経験がおありかもしれません。
前は先生は、そう言わなかったのに、今回は急に「抜歯」とか、
やっぱり「神経を取りましょう」とか。そう言われると不安になりますよね。

当院にも他院で「歯にひびが入っていると言われ、抜歯を進められた」患者さんが
来院されたことがありますが、全く正常な歯で保存出来た場合もあります。

また「何年も痛みが取れない」あるいは「ずきずきする痛みが取れない」ということで
根管治療が繰り返されていた患者さんの場合、
実は根管に問題があったわけではなかったという症例は山のようにみてきました。

患者さんにとっては「痛み」は最大の関心事であり、早く取り除くべきものなのですが、
その原因が「患者さん自身」と関係している場合が非常に多いのも事実です。

そのような場合は単純に治療を進めていけば治るものでもありません。
「痛み」に対する患者さんの理解が最も重要な治療となる場合がほとんどです。


■情報過多による診査診断のぶれ

CT撮影はある状況では非常に大きな力を発揮します。
確かに三次元的に診査が出来るという点では他にない診査方法です。

しかしながら、それは最強ではありません。
どちらかというと必要でない場合の方が多いかもしれませんし、
逆に情報が多すぎて困ることもあります。
また金属によるハレーションにより正確には診断できない場合があります。

実は情報には「真の情報」と「ゴミ情報」が両方存在します。
情報量が多いということは実は「ゴミ情報」も多く集めてしまっているのです。

インターネットの情報と同じです。
インターネットは便利で手軽に多くの情報を集めやすいですが、
間違えた情報も集まりやすいものです。

ですからCTが絶対的に優れている診査方法ではなく、
インプラント症例には絶対に撮影しておいた方が無難ですが、
一般的な症例には被爆量も大きいですし、
デンタル撮影(小さいレントゲン)数枚で十分です。

そして十分ではないと診断された時には
次に必要なレントゲン方法(例えば咬合撮影とかパノラマ撮影法、
そして最後がCT)を選択するべきであると
ICRP(国際レントゲン防護委員会)では推奨しているのです。

パノラマ撮影法も臨床では比較的多く利用されますが、
デンタル撮影と比較すると精度は高いものではありません。


■治療方針のぶれ

診断のぶれは術者によりあることは上記の通りですが、
治療方針のぶれは診断のぶれよりももっと大きいことが知られています。

同じような虫歯があったとしてもそれを治療する歯科医により、
アマルガム充填、レジン充填、インレー充填、
あるいは経過観察と異なる事はよくあることです。

しかもインレー充填であってもそこで用いる材料によっては、
ゴールドインレー、レジンインレー、セラミックインレー等の選択があります。

根尖病変のある歯に対する治療に関しても、非外科的根管治療、外科的根管治療、
根尖切除術、根尖掻爬術、抜歯、経過観察等と異なる場合もあります。

スウェーデンのイエテボリ大学では1980年代に
歯科における治療方針の判断に関する研究を行いました。

X線を撮り、根尖病変のある歯を33本集めて、
35人の公共の歯科施設のチーフに診断決定者となってもらったわけです。
全身疾患のない健康な中年の患者さんで、その歯に臨床症状はありません。
根管充填は4年以上前に行われています。

そういう歯を治療するか、そのまま1年間経過観察するかの判断をしました。

またもし治療する場合は3つ方法があり、
非外科的な根管治療、外科的な根管治療、あるいは抜歯、
以上の5つのオプションの選択をしてもらいました。

その結果、ある歯に対しては半分の先生は何もしないで放置するケースがありました。
また、あるケースはほとんどすべての先生は再根管治療をすると判断して、
1人は外科的な治療を選択し、1人は抜歯を選択しました。

患者の立場からすると、これは困ったことです。
どの先生に診てもらうかによって全く異なってしまうということなのです。
術者はこういうことを真剣に考えているのでしょうか。

このような治療方法の判断は術者の治療経験、治療能力、予後、
そして以前の治療がどのようになされているかでも異なりますし、
どの部位の歯なのか、どのような機能が必要とされる歯なのか、
患者さんの咬合状態がどうなのか、またさらには治療する事によるリスクが
どの程度あるのかや、治療の大変さ、費用等という様々な条件により
判断は影響されてしまいます。

その治療が術者にとって大変な場合は、
もっと安易な治療方法が選択されることもあるでしょう。

ですから、患者さんご自身がその問題に対してどう思っているのかを
十分お聞きしてみないと治療方針は決定できないのです。

患者さん主体の臨床というのは非常に骨が折れる仕事ですが、
そういう姿勢を持ち続けて臨床を行っていくことこそが
歯科医療に携わっている我々にとって意味があることだと当院では考えています。




A)セカンドオピニョンのみの場合

セカンドオピニョンのみ
(治療を受けない前提での診査診断、治療計画の場合)
20,000円/60分
(以降、30分につき10,000円)

※消費税が別途かかります

セカンドオピニョンは60分20,000円となります。
遠方の方や相談内容が多岐に渡る方は
90分、120分で予約をお取り頂くことをお勧めいたします。

また、例えば根管治療由来の不安をお持ちの方で他院で治療中の場合、
様々な資料をお持ちになられても、
正確な診査診断のためには、現在詰めているものを除去して
歯の中の根管数を調べる、あるいは細菌検査が必要な場合もあります。

そのような場合は初診時に治療の準備が必要となりますので
以下のB)の通常の初診料金となります。

詰め物や歯を削ることなく診査診断を行うことを希望される場合は
上記A)セカンドオピニョンの料金となります。


B)治療を受けることも考えていらっしゃる場合

初診・診査診断  40,000円/1.5~2時間

※消費税が別途かかります


受診ご希望の方はこちらからお問い合わせください


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